例えばこんな分析も!

オイル中のワニスの測定方法(QSA分析法)

油圧装置や精密潤滑装置の保守管理では、オイルのコンタミ管理が重要な項目のひとつです。機器の摩耗により生じる汚染粒子や外部から進入する塵埃などのハードなコンタミは、ISO、NASなどの測定方法が確立されており、またオイルの劣化や、潤滑性能の低下を招く水分は微量水分測定で管理することができます。
しかし、オイルの酸化劣化により生じる有機生成物である、粘ちょうなワニスは測定方法が確立されておらず、不溶解分や重量汚染度などで測定しているがワニス分を正確に捉えることは困難でした。

そこで米国アナリスト社で開発された新しいワニス分の測定方法、QSA法を紹介しましょう。QSAとは「Quantitative Spectrphotometric Analysis」の略で、定量分光光度分析と呼称されます。

分析方法の概略

使用油を0.45μのメンブランフィルターで50mlろ過し、その色の濃度でワニスの混入度合いを1から100に区分して判定します。

ワニスの機器への影響

クリアランスの減少によって、流体潤滑から境界潤滑へと変化する。
摩擦の増加とバルブ類の固着を招く。高温作動時、ワニスが熱交換器内に付着すると潤滑油の冷却効果を阻害する。バルブ、ストレーナー、フィルターに付着し、流量低下が発生する。

分析方法の概略

QSA法によるオイル分析結果は、以下の様な形の報告書として提出されます。