採油の方法

採油の方法と注意点についてご案内いたします

採油用アクセサリー

採油ポンプ

  1. ナットをゆるめ、一端を斜の約45度に切り落としたチューブをナット孔からアダプターに通し、チューブが5~10mmアダプターから出たらナットを締めてチューブを固定する。(チューブは油槽に差し込んだ時、チューブ端がオイルの深さの半分位に届く長さに予め切っておく。)
  2. アダプターにボトルをねじ込み取りつける。
  3. チューブを給油口(もしくはガイドパイプ)に差し込み、油面の高さの半分まで入れる。
  4. ポンプ把手を手間前に引き、オイルを吸い込む。一回で分析必要量のオイルに不足の時は何回か繰り返す。
  5. 必要量のオイルがボトルに入ったらリリースボタンを押して吸引を中止する。
  6. チューブ内のオイルが切れたら、ボトルをアダプターから外して蓋をする。
  7. アダプター側の斜め45度に切ったチューブ端をきれいな布か紙で拭き取ってからナットをゆるめ、チューブを抜き取り捨てる。(チューブはサンプル毎に新品と交換する。)
①ポンプのヘッド部分 ①ポンプのヘッド部分

QSSバルブ

油槽壁面や戻り配管チーズに取りつけたQSSバルブにチューブを差し込み、チューブを押せば油が出てきます。抜けば油は止まります。

  1. QSSバルブの防塵キャップを外す。
  2. 採油しやすい長さに切断したチューブの一端をボトルに入れ、他端を指でつまみバルブのノズルに挿入して、そのままチューブで押す。
  3. 分析必要量のオイルを採取できたらノズルからチューブを抜き、チューブを捨ててボトルに蓋をする。(チューブはサンプル毎に新品と交換する。)
  4. QSSバルブに防塵キャップをする。
①ポンプのヘッド部分 ①ポンプのヘッド部分

ベローズ容器

チューブ画像
  1. ベローズ容器のチューブ差し込み口①にチューブ②を確実に差し込む。
  2. チューブの他端を給油口に差し込む。(チューブ端がオイルの深さの半分位に届くように予めチューブの長さを決めておく。)
  3. ベローズ容器の底を平らな面にのせ、容器の肩に手を置いて体重をかけて押してから手を離す。(1回の採取でオイルが不足の時は何回か繰り返す。)
  4. 分析必要量のオイルを採取できたらチューブの給油口から抜き取り、捨ててからキャップ③をする。(チューブはサンプル毎に新品と交換する。)

採油要綱

1.採油の前に

ボトルやベローズ容器の丸ラベルに貴社名、サンプル名、採油月日を記入して下さい。(サンプルの混同や採油忘れを防ぐためです。)

社名記入例
○○工業 川崎工場のサンプル名「成形機-006-油圧」の場合。

2.一般的注意事項

  • 定期分析の場合、更油直後・補油直後の採油はおやめ下さい。(更油前・補油前に採油して下さい。)
  • 採油口の周囲を清掃して採油時に油槽やサンプルに汚れが入るのを防いで下さい。
  • 採油後に蓋やバルブを閉め忘れない様に注意して下さい。
  • 油温が高い時の採油は特に注意して下さい。(場合により漏れた油で火傷する事があります。)
  • 他の容器で採油して弊社のボトルに移すのは避けて下さい。(その容器の汚れが混入する恐れがあります。)

3.採油の3原則

“決まった場所から、決まった手順で、決まった時に採油”が基本です。変えないこと・一貫性を保つことが大切です。

  1. 決まった場所から:できるかぎり下図(5.採油場所)の推奨◎印3か所の中から決めて下さい。
  2. 決まった手順で:採油方法が決まるまでは採油する人を決めた方が無難です。
  3. 決まった時に:機械作動開始後30分以降、停止後10分以内の間に採油が基本です。例えば、機械停止後5分と決めたら毎回停止後5分前後を目途に採油して下さい。機械停止後長時間経過しますと、摩耗粉などの沈降が起き代表的サンプルでなくなります。

4.採油容器と採油量

  • 3種類の容器を用意しております。
  • ボトルは採油ポンプやQSSバルブ、サンプリングポートを使った採油に、ベローズ容器は航空機の採油にお使い下さい。
  • ボトル小120ml、ボトル大250ml、ベローズ100mlとなっています。
    分析に必要なサンプル量に合ったボトルをご用命下さい。(容器は無償でお送りします。容器の手配は弊社ホームページより採油容器手配書をダウンロードし必要事項記入の上、弊社分析センターへFAXして下さい。)

5.採油場所

採油は機械稼働時の油面高さの半分の位置で、フィルターでろ過される前からが基本です。採油場所は下図の推奨◎印3か所いずれかを採用して下さい。

給油口から採油ポンプで。

  • チューブは採油ポンプに確実に差し込んで固定して下さい。(不十分ですと採油中にチューブが油槽内に落下することがあります。)
  • チューブは機械稼働時油面高さの半分の位置まで差し込んで下さい。
  • 減速機やエンジンなど運転中の機器から採油する時は、機器の構造を十分調査し危険のない様にチューブを差し込んで下さい。

QSSバルブやサンプリングポートから

  • 定修や更油時にQSSバルブを取りつけることをおすすめします。

戻り配管取りつけ

  • 戻り配管のエルボーをチーズに取り替え、ブッシングを使って取りつけて下さい。

油槽壁面取りつけ

  • 取りつけ位置は油槽壁面中央部で機械稼働時油面の高さの半分がベストです。

ドレン採油

  • 油槽底部には水・スラッジ・大摩耗粒子などが必ず沈降しています。それらを巻き込むことが十分ありますので避けて下さい。

6.グリース採油手順

  • グリースは軸受けが回転中に給脂しながら排出口からボトル小に採取して下さい。
  • 排出初期のグリースの決まった量を捨ててから(端切り)採取して下さい。
  • 排出グリースが、まだら模様の時には最も色の黒い部分を採取するようにして下さい。

7.発送方法

容器の蓋をきつく閉め、同封のポリ袋に入れビニタイで封をした後、分析依頼書と共に専用の返送用小箱もしくは専用通い箱に納めて分析センターにご送付下さい。(送料はご負担下さい。)